第5首「奥山に~」猿丸大夫|現代語訳・意味・ゆかりの神社

百人一首

歌札
奥山に
(おくやまに)
紅葉踏み分け
(もみじふみわけ)
鳴く鹿の
(なくしかの)
声聞く時ぞ
(こえきくときぞ)
秋は悲しき
(あきはかなしき)

※ 上の句(かみのく)が赤字、下の句(しものく)が青字

現代語訳

人里から遠く離れた奥深い山で、散り積もった紅葉を踏み分けながら鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋はしみじみと悲しい季節だと感じられることだ。

歌人

歌人: 猿丸大夫

読み: さるまるだゆう

猿丸大夫は、三十六歌仙の一人に数えられる歌人です。 しかし、生年、没年、家系、官職などを確実に示す歴史資料は残されていません。 そのため、生年・没年ともに不詳です。 猿丸大夫がいつの時代に生きたのかについても確定していませんが、奈良時代末期から平安時代初期、すなわち西暦700年代後半から800年代ごろの人物とする伝承があります。 ただし、これは確実な記録によるものではなく、後世に成立した伝承の一つです。 歴史上に実在した一人の歌人だったのか、複数の人物や伝承が一つにまとめられた存在なのかについても、さまざまな説があります。

猿丸大夫

ゆかりの地

猿丸神社

猿丸神社
猿丸神社周辺の地図

猿丸大夫にゆかりのある神社として知られているのが、京都府綴喜郡宇治田原町に鎮座する猿丸神社です。 猿丸神社では、猿丸大夫を祭神としてお祀りしています。 猿丸大夫は歌道の神として崇敬され、古くから多くの文人や歌人が参拝したと伝えられています。 ただし、この場所で第5首が詠まれたことを証明する歴史資料はありません。 猿丸神社は、第5首が実際に詠まれた場所というより、猿丸大夫にまつわる伝承と信仰を伝える神社として紹介するのが適切です。

基本情報

歌番号 5
歌人 猿丸大夫
歌人読み さるまるだゆう
生没年 生没年不詳
時代 奈良時代
季節
都道府県 京都府
所在地 京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺粽谷44

詳細解説

「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」は、秋の奥山に響く鹿の鳴き声を通して、秋の美しさと寂しさを詠んだ歌です。

 作者とされる猿丸大夫は、生没年や経歴が分からない謎の歌人です。
さらに、この歌は『古今和歌集』では「よみ人しらず」とされており、本当の作者も明らかではありません

 それでも、鹿の声に秋の悲しさを感じる心は、千年以上の時を越えて多くの人に共感されてきました

 ここで使われている「悲しき」は、現代語のような強い悲痛さだけを表す言葉ではありません。

 秋の美しい景色に心を動かされ、その美しさがやがて失われてしまうことを、しみじみと寂しく感じる気持ちも含んでいます。

 美しいものが、やがて失われてしまう

 その切なさを短い言葉で表現したところに、第5首の大きな魅力があります

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