第2首 「春過ぎて~」持統天皇|現代語訳・意味・ゆかりの地

百人一首

歌札

和歌

春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

読み仮名

はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ(ちょう) あまのかぐやま

現代語訳

春が過ぎて、どうやら夏がやって来たらしい。 夏になると白い衣を干すという天の香具山に、真っ白な衣が見えていることだ。

歌人

歌人: 持統天皇

読み: じとうてんのう

持統天皇(じとうてんのう)は、645年に生まれ、703年に亡くなった飛鳥時代の天皇です。 天智天皇の皇女であり、天武天皇の皇后となりました。 天武天皇の死後、政治の中心的な役割を担い、690年に第41代天皇として即位しました。 持統天皇の時代を象徴する出来事の一つが、694年の藤原京への遷都です。 藤原京には「大和三山」といわれる山々があり、今回の歌に登場する天香具山(あまのかぐやま)も、その一つです。 そのため持統天皇にとって天香具山(あまのかぐやま)は、単なる有名な山ではなく、自らが政治を行った都の風景を構成する身近で重要な存在だったと考えることができます。

持統天皇

ゆかりの地

天香具山

天香具山
天香具山周辺の地図

この歌で明確に詠まれている場所は、奈良県橿原市にある「天香具山(あまのかぐやま)」です。 天香具山は、畝傍山(うねびやま)、耳成山(みみなしやま)とともに「大和三山」と呼ばれる山です。 古代の都・藤原京とも深い関係を持つ土地であり、古くから人々に特別な山として意識されてきました。 また、天香具山の山中には天岩戸神社などの神社も鎮座しています。 ただし、持統天皇がこの神社で第二首を詠んだという意味ではありません。 あくまで第二首の主役となる場所は「天香具山」であり、その山と周辺に残る信仰や歴史を知る場所の一つとして、山中の神社を紹介するのがよいでしょう。 この歌の世界を実際に訪ねるなら、天香具山と藤原京跡周辺を一緒に巡ることで、持統天皇が生きた飛鳥時代の風景をより身近に感じられるでしょう。

基本情報

歌番号 2
歌人 持統天皇
歌人読み じとうてんのう
生没年 645年~703年
時代 飛鳥時代
季節
都道府県 奈良県
所在地 奈良県橿原(かしはら)市

詳細解説

 「春過ぎて」は、春から夏へ移り変わる一瞬の美しさを描いていて、その表現力等から名歌と言われているようです。
 この歌は、天香具山(あまのかぐやま)に干された白い衣から、初夏の訪れを感じ取る繊細な感性が表現されていて、加えて、緑の山と白い衣の美しい対比も、この歌の大きな魅力といわれます。
千年以上経った今でも、季節の移ろいの美しさを感じさせてくれる一首です。

 この歌を、持統天皇という天皇が詠んでいることも、非常に大きな特徴です。天皇でありながら、その情景を表した非常に素朴な歌であり、持統天皇の感性を感じさせます。
 持統天皇は第41代の天皇陛下で、女性天皇です。夫の天武天皇を支えて政治を行い、天武天皇が亡くなると、バトンを引きついで、数々の国作りを行いました。律令制度の基礎となる法整備も行った、大政治家でした。
 そんな持統天皇ですが、歌人として万葉集にも選ばれていて、その多才ぶりが見て取れる一首でもあります。

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